野生のセキセイインコはどのようにペット改良された?【インコの歴史】

セキセイインコの原産国はオーストラリアですが、どのように世界に広がり、日本に渡っていったかご存じですか?また今では100種類以上のカラーバリエーションがありますが、野生のセキセイインコはどれも同じ色でした。どのようにして、ペット用として改良されていったのでしょうか?今回は、野生のセキセイインコとその歴史について迫ってみましょう。
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野生のセキセイインコはどんな暮らしをしている?
野生のセキセイインコはオーストラリアの内陸部に生息しています。ペットとして知られているセキセイインコの色とは違い、野生のセキセイインコはすべて同じ色で緑のボディーに黄色の顔で、黒模様のあるノーマルと言われるタイプのもの。ペットとして飼われているものよりも、比較的に小さく、細身の体型です。
野生のセキセイインコは、新鮮な餌を求めて、群れになって常に移動しています。明け方から活動を開始し、日中は暑さを避けるために木陰で休みます。そして日が暮れる前に再び餌を探しに出かけます。繁殖時期は10月~12月で、オーストラリアの春~夏にかけての暖かい時期に行われます。
セキセイインコがペットとして飼われ始めた歴史
今や世界中の人からペットとして愛されているセキセイインコ。その歴史はどこから始まったのでしょうか。はじめて、セキセイインコを発見したのは、1770年にジェームスクックがイギリスから、オーストラリアへ渡ったときでした。ジェームスクックと共に、船旅をした仲間たちがイギリスに戻った際に、何百ものきれいな緑色の鳥が空を飛んでいたと語っていたのです。
そしてはじめて野生のセキセイインコがオーストラリアからイギリスに持ち帰ったのは、1840年のことでした。ジョンゴールドという専門家によって体長10センチのオスとメスが持ち帰られ、動物園で繁殖をしながら、育てられました。
セキセイインコはどのように改良されていったの?
もともと野生のセキセイインコは緑の体に、黄色い頭が主流でした。それが、1840年イギリスに持ち帰られ、ペット用のセキセイインコとして繁殖がはじまります。そして、その動きはヨーロッパへ広がり、1870年にはベルギーではじめて赤目で全身黄色のセキセイインコ(ルチノー)が誕生しました。
その後、青い体に白い顔をしたセキセイインコが20世紀初頭に誕生し、1910年にロンドンで青いセキセイインコがはじめて展示されます。それを期に、日本人がこの青くて美しい小鳥に魅了され、繁殖用に大量にイギリスから輸入をはじめました。日本では背中が黄色と青色になっていることから、背黄青鸚哥(セキセイインコ)と呼ばれ、ペットとして親しまれていきました。
海外でもでも日本でも、もともと、裕福な家庭でしか飼うことのできなかったセキセイインコ。しかし、セキセイインコの繁殖が進むにつれて、民衆の手に届くものへとなっていきます。アメリカへセキセイインコが渡ったのは、ヨーロッパ人が20世紀初頭に持ち込んだのがきっかけでした。
セキセイインコが世界中で愛される9 つの理由
最後に、なぜセキセイインコが世界中で愛されるペットになっていったのか、その特徴を9つご紹介します。必ずしも、すべてのインコに当てはまるとは限りませんが、こんなにもたくさんの魅力があるペットなんですよ。
- 小さいので、飼うために大きな場所を必要としません。そのため、マンションでも一軒家でも場所を選ばす飼うことができます。基本的にはゲージ飼いで、一日に一時間ほど外で遊ばせてやればいいだけなので、飼いやすいのが魅力的です。
- 色は100種類以上!豊富なバラエティーの中から、あなたの好きな色のセキセイインコを選ぶことができます。
- 飼い主が辛抱強く接すれば、セキセイインコはちゃんと飼い主に懐いてくれます。
- 社交的な性格なので、飼い主や他のインコと触れ合うのが大好きです。
- 犬や猫アレルギーがあるけど、動物が好きという人は、インコなら飼えるかもしれません。
- 寿命は約7年以上、最高では29年生きた記録もあります。長生きしてくれる分、ずっと一緒に住むことができます。
- 子どもがいる家庭でも飼いやすく、子どもたちを楽しませてくれます。されに、子どもにペットを飼う責任について教えてくれます。
- 犬と比べても、散歩に連れていく必要もないので、お年寄りも飼いやすいペットです。
- 鳴いたり、話すことで飼い主とコミュニケーションをとるのが大好き!お話しだってできます。
まとめ
野生のセキセイインコと歴史についてご紹介しましたがいかがでしたか。セキセイインコがどのように世界中で愛されるペットになっていったか、知っていただけたかと思います。我が家のセキセイインコは白と紫に黒模様(上の写真です)ですが、ご先祖は緑と黄色だったなんて信じがたいですね。一度、野生のセキセイインコを見てみたいものです。
参考書籍:
Budgerigar – understanding and caring for your pet Written by Catherine smith